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システム開発:
有限会社ナンバーワンソリューションズ
ソフトウェア開発や医療・福祉施設のIT化戦略支援をメインとするシステム開発会社。
株式会社亀田医療情報研究所と共同で本システムを開発した。 |

導入の背景
病院を取り巻く環境の変化により、診療情報の柔軟な管理と共有化が求められている。 |
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導入前の問題点
これまでのシステムでは検索性、柔軟性に問題があり、情報の再利用も難しかった。 |
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ソリューション
診療情報をXML形式で管理し、データ入出力画面を簡単に作成できるツールを用意。 |
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導入のメリット
診療情報の検索性が向上し、データ入出力画面の変更が容易に。 |
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医療法人鉄蕉会 亀田総合病院では、統合医療情報システム『Kai』を利用し、業務の効率化、良質な医療サービスの提供に努めてきた。しかし、医療機関を取り巻く環境の急激な変化により、診療情報をこれまで以上に柔軟に管理・共有化する必要が出てきた。そこで、まずは退院サマリーをXML形式で『Yggdrasill』にて管理し、データ入出力画面を簡単に作成・変更できるツールを用意することで、システム変更に柔軟に対応でき、検索性を向上させたシステムを実現しようとしている。XML形式でデータを持つことからデータの再利用や他の医療機関との連携も容易になる。
◆導入の背景 〜診療情報の柔軟な管理と共有化〜
- 「先進的なIT活用」
亀田総合病院は医療サービスの質の高さだけでなく、先進的なIT活用病院として知られており、関連会社 亀田医療情報研究所にて開発された統合医療情報システム『Kai』は、同病院以外にも16の病院で利用されている。
『Kai』は、ナビゲーションケアマップ、電子カルテシステム、オーダリングシステム、看護過程支援システムの4つのシステムから成っており、各システムが診療情報データベースを共有できるようになっている。
- 「病院を取り巻く環境の変化」
同病院は、これまで『Kai』を利用し、業務を効率化し、医療サービスの質を向上させてきた。しかし、近年、医療過誤・医療費の高騰による患者の意識の変化、出来高払い制の見直し(医療機関別包括評価)、病院間の競争の激化など、病院を取り巻く環境は激変しており、良質な医療サービスをいかに効率よく提供するか、診療情報をもとに病院経営をいかに効率化するかがこれまで以上に注目されるようになってきた。
「医療の世界では蓄積したい情報の形態は頻繁に変化します。システム構築時には想像もできない情報が必要になることもあります。そのため、RDBでは、常に変わっていく診療情報を柔軟に管理しようとすると、システムの改修に大きな手間がかかってしまいます。元々、『Kai』のバックアップ兼参照系サーバとして検討していた『Yggdrasill』はこれにぴったりでした」。株式会社亀田医療情報研究所
片倉氏は本システム構築のきっかけをそう説明する。
◆導入前の問題点 〜データの柔軟な管理が課題〜
- 「検索性」
これまで、診療情報はテキストがそのままデータベースに格納されているだけで、きちんと構造化されていなかった。そのため、検索しようとすると全文検索しかできず、どうしても関係のない情報までヒットしてしまっていた。
- 「データ構造の変更」
医療技術の進歩に伴い、管理対象となるデータは増え続け、その時々に必要なデータは常に変化し続けている。そのため、RDBの画一的なスキーマ定義ではその変化への対応が難しく、結果、これまでのシステムでは必要なデータを管理しきれていなかった。
- 「他システムとの連携」
亀田総合病院は、電子カルテをどこででも閲覧・記入できるネットワークシステム<PLANET(プラネット)>を運営しており、現在、15の病院・診療所との連携を実現している。当然、連携機関の増大を目指しており、そのためには他のシステムとのデータ交換が容易である必要があった。
また、同病院には、これまで様々なIT投資がなされており、それらとのシステム連携は必須だった。
◆ソリューション 〜『Yggdrasill』を用いてデータ構造の変更が容易なシステムを構築〜
- 「検索性」
これらの問題点を解決するために、診療情報をXML形式で管理し、データ入出力画面を簡単に作成できるツールを用意することになった。
「診療情報を構造化してデータベースに格納することで、全文検索だけでなく項目別の検索ができるようにすれば、検索性能が向上すると考えました。階層構造でデータ構造を表現するXMLはこの考えにぴったりでした」。片倉氏はXML形式でのデータ管理を採用した理由を説明する。「また、診療科の枠を超えた様々な抽出調査を行い、今後の治療計画や病院経営に役立てることも望まれていた点のひとつでした」。
- 「データ構造の変更」
当然、診療科ごとに必要なデータは異なるため、これまではそれらを横断的に検索することは不可能だった。『Yggdrasill』はスキーマ定義を必要としないため、複雑な構造のデータの管理や異なる構造のデータの管理を容易に実現することができる。
また、これまで悩みの種であったデータ入出力画面の変更については、専用のツールを用意することで解決した。このツールを使えば、マウスの操作と簡単なスクリプトの記述だけで画面を作成・変更できる。
通常、データ入出力画面を変更すれば、管理するデータの構造が変化してしまい、データベース側のシステムを変更しなくてはならない。しかし、前述の通り、『Yggdrasill』はスキーマ定義を必要としないため、異なる構造のデータを柔軟に管理できる。
- 「他システムとの連携」
さらに、XML形式でデータを持つことで、データの再利用や他のシステムとの連携が容易になる。
<退院サマリーシステム概念図>
◆導入のメリット
- 「診療情報の有効活用が可能に」
現在は、まだ、データエントリー中心の利用ではあるが、今後は以下のようなメリットを期待している。
1.EBM(※2)の実現
これまでうまく検索できなかった診療情報が素早く参照できるようになるため、退院後、来院した患者の診療をスムースに行うことができる。
また、データ入出力画面の変更が容易になるため、医師の要望に応じてトレンドにあわせて必要な診療データを柔軟に管理できる。
2.医療関連業務の効率化
診療情報を様々な角度から検索できるようになることから、診療にだけでなく、学術・病院経営などにも有効な情報を素早く得ることができる。
3.他システム・医療機関との連携
現在、MML(※3)・HL7(※4)などXML形式で他のシステムや医療機関とデータ交換をしようという流れがある。XML形式でデータを持っていれば簡単な変換作業でそれらのデータ交換に対応できる。
- 「今後の展開」
現在は退院サマリーだけだが、今後は他のサマリーの管理もシステム化していく予定だ。
また、他のシステムや医療機関との連携もこれまで以上に進めていく。
文中の単語について ※1 退院サマリー: 患者の入院時の情報を要約したもの。入院から、退院後の外来までの診療をスムースに行うために必要。
※2 EBM:Evidence Based Medicine 根拠に基づいた医療。 ※3 MML:Medical Markup
Language ※4 HL7:Health Level Seven
※3、※4共に医療情報を交換するための標準規格。 |