Microsoft365で業務システムを安価に創る
こんにちは︕私は アーカーシュ マラシニです。
ネパール出⾝のエンジニアで、Media Fusion Co.Ltd. で Microsoft365 および Power Platform(Power Apps/Automate/BI)の構築・カスタマイズエンジニアとして働いています。
MS365 と Power Platform に関するブログを通じて、私が学んだことや経験を皆さんと共有していきます
DXが進む現在、⽇々の反復作業や定型業務の⾃動化・最適化は大きなトレンドになっています。多くの企業は、DX推進をするために、業務現場で自社開発ができないかと考えています。しかし、現場は日常業務に追われ、専門知識のあるITエンジニアを確保することも難しいのが大きな課題となっています。多くの企業が「どの開発ツールが⾃社のビジネスに適しているのか︖」「最⼩限の予算でシステムを開発するにはどうすればよいのか︖」「どのライセンスが⾃社の開発要件に合っているのか︖」といった疑問を抱いているのではないでしょうか
そこで今回は、Microsoft365 (MS365) を活⽤した業務⾃動化に着目し、最⼩限の予算で効果的な⾃動化システムを構築する⽅法をご紹介します。
なぜMS365がシステム開発に最適なのか︖
1. サーバレスで低コスト
MS365 で利⽤できる Power Apps、Power Automate、Sharepoint online などはクラウドベースであり、専用の物理サーバーを新たにセットアップする必要はありません。 サーバーのセットアップには時間がかかり、ハードウェア、ネットワーク、ログイン認証等への初期費用とサポート費用がかかります。MS365を利用するとこれらが不要となり、コストを大幅に削減することが出来ます
2.日常的に変化する業務に迅速に対応する拡張性
MS365 を使⽤すると、⽇常の業務フローや要件に合わせてカスタマイズ可能なシステムを開発できます。 さらに、ユーザ管理・認証はMS365で一元管理され、データのアクセス権も多様に設定できるため、組織変更などへの対応の拡張性も確保しています。
⼀⽅、多くのSaaSによる業務システムサービスも市場で⼊⼿可能です。 ただ、これらのSaaSの多くはカスタマイズ性が低く、各企業の業務フローや要件にフィットしない場合が多いです。
3.既に導入済みのMS365で現場スタッフが開発する業務システム
世界のローコード開発プラットフォーム市場は、2032 年までに 32% 増加すると予想されています。ローコードツールは1から〇〇言語で開発する従来の開発と異なり、プロプログラマでなくても実用的なシステムを開発出来る可能性を持っています。多くの企業は、このプラットフォームを使えば業務現場でシステムを自社開発できるのではないかと期待し、注目しています。 MS365 には、ローコード ツールのPower Apps、Power AutomateにSharePoint、outlookなど種々のアプリケーションが含まれています
ローコードツールには、kintoneに代表されるように種々の製品がありますが、当然導入するには新たなライセンス料が発生します。多くの企業はMS365 を既に導入しており、MS365に含まれるローコードツールを使えば工夫しだいで追加のコストは不要です。
MS365で実用的なシステムを開発するには︖
MS365のPower App は、ローコードの開発プラットフォームです。 ユーザインターフェースの開発ツールで応答性の⾼い Web アプリケーションやモバイル アプリケーションを迅速に開発するのに役⽴ちます。
また、Power Automateは、MS 365 の様々なアプリやサービス間の毎⽇の反復的で時間のかかるタスクを⾃動化するワークフローを開発するプラットフォームです。画面のバックグラウンドで稼働する機能を開発するためにも使います。
さらに、Sharepoint はファイルを効率的に保存および管理ために使⽤されます。またListと呼ばれるデータベースも管理出来ます。SharePoint に保存されている Excel ファイルのデータは、PowerApps および Power Automate のデータ ソースとして使⽤できます。
MS365で構築できるシステムのもっと簡単な例は、"⼈事管理システム "である。
「人事管理システム」では、すべての従業員データが人事担当者によって SharePoint の Excel ファイルで管理されています。従業員データには、従業員名、ID、住所、役職、割り当てられた休暇日数、給与手当など、さまざまな情報が含まれます。
MS365 が開発した「人事管理システム」は、社内の誰でも使用できます。このシステムのフロントエンドは Power Apps を使用して作成されています。従業員は、このアプリから自分の個人情報、利用可能な休暇日数、給与手当、業績評価などを確認できます。
従業員の休暇と勤怠はこのシステムで管理できます。MS365の「人事管理システム」でどのように管理できるか見てみよう。
図:MS365 の「人事管理システム」内での従業員の休暇と出勤管理。
従業員は、Power App から直接休暇申請を送信できます。従業員のマネージャーは、アプリと Outlook の電子メールを通じて休暇申請の通知を受け取ります。マネージャーはアプリから休暇申請を即座に承認または拒否することができ、承認された場合は、割り当てられた休暇日数が SharePoint Excel シートで更新されます。従業員は、アプリと Outlook を通じて承認または拒否の通知を受け取ります。
このシステムでは、Power Automate が電子メールと通知の送信、および SharePoint 内の従業員データを含む Excel シートの更新を担当します。
MS365の可能性、そして様々なツールやサービスを活用することで、コストを削減しながらシステムを発展させる方法について、ご理解いただけたかと思います。
次回のブログでは、MS365に関するより詳しい情報と、MS365で自動化できる日々の繰り返し作業の興味深い例をご紹介します。
MS365に関するご質問や、MS365を利用したビジネスでDXを推進したい方は、ぜひご連絡ください!